「日本のデジタル教育を支えたい」 MousePro担当者に聞く教育ICTの現在

» 2021年08月03日 10時00分 公開
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 コロナ禍を機に私たちの「働き方」が大きく変わっているが、同様に教育現場におけるリモート授業の運用など「学ぶ場」も変革を迎えている。もともとGIGAスクール構想として「1人1台端末」を目標に進んでいた取り組みが、コロナ対策としての生活様式の変化に合わせて一気に進んだ形だ。

 とはいえ、教育現場におけるICT環境の整備は、あくまで政府が提唱する、Society 5.0社会に生きる創造性を持った人材の育成を目的としており、いまだ道半ば。教育現場のデジタル化推進に関連する課題や現状について、文教市場向けPCを開発・販売するマウスコンピューターマーケティング本部の田中氏と宮本氏に話を聞いた。

コロナ禍で一気に加速したGIGAスクール構想

 文部科学省が主導する教育ICT環境の整備は、その最初のステップとして2023年度をめどに「1人1台」の端末所有を目指していたが、コロナ禍を契機とする20年度の補正予算によって一気に加速。当初の対象だった学年(小5、6、中1)だけでなく、小・中学校の全て学年に範囲を広げ、ほとんどの自治体で実現に至っている。

 その理由の1つは、感染症拡大による休校といった緊急事態においても、リモートでの学びの機会を確保する、という意味合いが強かったと田中氏は話す。

マウスコンピューターマーケティング本部マーケティング部の田中浩幸氏

 「20年の夏ごろに文部科学省から自治体に対して推進への強いメッセージが出され、21年の年明けから一気に進んだ印象です。もともと、1台当たり4万5000円の補助が明確に打ち出され、推奨するスペックも決まっていたので、われわれのようなPCメーカーはそれに準ずる形で足並みをそろえています。当初は価格面でChrome OS搭載デバイスの比率が高かったようですが、後を追う形でWindows機も3万円台の価格帯に並びました。当社でも『MousePro-P101A0』(以下、P101)というタブレットPCを税込み3万2780円で発売し、反響をいただいています」

6月開催の「関西 教育ITソリューションEXPO」(EDIX関西)に展示されていたMousePro-P101シリーズ

 P101は10.1型タブレットで、マグネット着脱式キーボードによりタブレットとノートPCの2in1スタイルで使えるのが特長。特に小学校の導入では、防塵や防滴・落下衝撃耐性といった堅牢性の高さが評価されたという。

 「文科省からの通達でスペック(GIGAスクール構想 学習用コンピューター標準仕様書)はほぼ横並びですが、子どもが扱うということで頑丈さが非常に重視されています。防塵・防滴などもその1つですね。また、今後はデバイスをどう授業に活用していくかがポイントになりますが、内蔵カメラ(イン/アウトともに200万画素)が野外授業の観察や記録に有効だということで引き合いがありました。もちろん、内蔵カメラを使ってリモート授業をする、といったシーンにも対応できます」

コロナ禍で変わる教育現場

 とはいえ、1人1台の普及はスタートラインにすぎない。デジタルの知識に対する教員ごとの差をどう埋め、指導にどう活用していくか、といったソフトの部分はまだこれからだ。マウスコンピューターでは教育関連の展示会や販売パートナーを通じて、教育ICTを活用するための情報発信を強化しているという。

 「GIGAスクール構想は、単に端末が普及すれば終わりではなく、校内ネットワーク環境やセキュリティといったインフラをはじめ、具体的にPCを指導にどう活用するのかといったソフト面も含めて実現していくものです。われわれもさまざまなパートナーとともに教育ICTの推進に尽力していければと考えています」

高校以上のICT環境整備に課題も

 田中氏によると「予想外に順調」に進んだ小中学校のGIGAスクール構想に対して、予想通り進んでいないのが高校課程以降のICT環境の整備だという。文部科学省は20年12月の閣議決定で「高等学校段階を含む各教育段階においてICT化・オンライン化を推進」すると打ち出し、22年4月からは情報科において共通必履修科目「情報I」を新設する予定だが、「1人1台端末環境の実現」には程遠いのが現状だ。

 「現時点で普及は3割に満たないと聞いています。いわゆる“高校GIGAスクール”では、学習用PCの選定基準として『GIGAスクール構想の実現標準仕様書を参照』とはあるものの、実際は教育内容に合わせて仕様を検討することが推奨されており、学校の特性に合わせてスペックは非常に幅広くなることが予想されます。そして、明確な基準がない以上、その判断は学校に任されており、先進的な私立では導入が進む一方、自ら動かないと何も始まらないなど、推進を主導する存在の有無で大きな格差が生まれてしまっています。『仕様がないから何を選んでいいのか分からない』ということですね。また、政府は自治体任せの印象ですが、その自治体と高校以降の教育機関との関係は小中学校ほど強くはないようです」

 この状況は、職業系専門高校のデジタル環境整備を目指す「スマート専門高校」でも同様だという。

 「『モノ作り日本』から連想する金属造形3DプリンタやCNCフライス盤といった産業装置だけでなく、データ分析や画像処理、プログラム作成に必要な高性能PC(を配備した実習室の改修)も対象です。こちらは学習内容のバリエーションがさらに広く、特定のスペックなら十分、ということはありえません」

 だからこそ、高校や大学、専門学校におけるデジタル化の遅れに対して、マウスコンピューターが提供できる価値は大きいと田中氏は話す。同社の法人向けPCブランドである「MousePro」やクリエイター向けPCブランドの「DAIV」は、社会に出て活躍するプロが実際に利用しているものだ。

 「高校以上の教育では、小中学校のようなベーシックなPCではなく、実習で活用できるハイスペックなPCが求められます。当社の製品は、一般的なオフィスワークはもちろん、高度な専門知識・技術を活用する場面、例えば研究用途だったり、構造解析や3Dモデル作成だったりと、プロフェッショナルの要望に応える製品を多数そろえています。さらに細かいご要望に応えられるBTO(Build To Order)も特長です。また、万一の故障や不具合などについても、国内2か所に設置したコールセンターでの24時間365日体制の無償サポートや、有償での追加サポートもご用意しています。教育カリキュラムに沿ったご提案や、機材のメンテナンスや更新についてもご相談できますので、ぜひ弊社にお問い合わせいただければと思います」

教育イベントで存在感をアピールするマウスコンピューター

 小中学校におけるICT活用の啓蒙や、高校以降のデジタル環境の整備を目指して、マウスコンピューターでは5年ほど前から積極的に教育関連の展示会に参加している。ブースには教育関係者や学校向けに教育ソリューションを提供する販売店が訪れ、さまざまな意見交換を行っていると宮本氏は話す。

マウスコンピューターマーケティング本部マーケティング部の宮本壮人氏

 「当社からの活用提案はもちろんですが、実際の教育現場でどのように使われているか、当事者の目を通したフィードバックをいただける貴重な機会だと捉えています。例えば、単に堅牢性の一言ではなく、課外活動で砂ぼこりにさらされやすいという具体的なご意見から、P101は端子部分に保護カバーを装着するなど、通常のビジネスPCにはない工夫を文教向けPCに盛り込んでいます。そうした過去の知見を製品に盛り込んでいるのが強みですね」

 これまで中堅中小企業を中心に幅広く支持されてきたマウスコンピューターだが、6月に実施された関西 教育ITソリューションEXPO(EDIX関西)や、8月予定の関西教育ICT展に参加するなど、教育分野でも積極的に活動している。

19年8月に開催された関西教育ICT展の様子

 「マウスコンピューターは長野県飯山市を製造拠点とする国産PCメーカーとして、日本のモノ作り企業を支え、同時に多くの企業に支えられてきた会社です。その意味で、将来日本の産業を支える未来の人材を育てる学校教育の変革は、当然われわれにとっても非常に重要です。コロナ禍におけるリモートワークはもちろんのこと、持続的に教育現場のICT環境が充実したものであるように、これからも最大限力を尽くしていきたいと考えています」

【追記】マウスコンピューターは、大阪府への緊急事態宣言発令に伴い、本イベントへの出展見合わせを発表した(2021年8月3日11時)

学習用PCをテーマごとに展示 「第6回関西教育ICT展」に出展

 マウスコンピューターは、2021年8月5日から8月6日に開催される「第6回関西教育ICT展」 に出展する。「小・中学校向け教育ICT/保育・幼稚園 業務支援用端末」「高等学校向け学習端末」「スマート専門高校向け高性能PC」「大学・専門学校向けクリエイターPC」の4つのテーマでブースを設置。インテル® Celeron® プロセッサー N4000を搭載する2in1タブレットPC「MousePro-P101シリーズ」や、インテル® Core i7-1165G7 プロセッサーを搭載する14型モバイルノートPC「MousePro NB4シリーズ」、インテル® Core i7-11700 プロセッサーを搭載するクリエイター向けPC「DAIV Z9」、インテル® Core i7-10700 プロセッサーを搭載し、グラフィックスにQuadroを搭載可能なデータ解析業務向けの「MousePro Tシリーズ」などが展示される予定だ。また、在宅学習や、デスクトップPCと組み合わせて使用する場合に適したiiyamaブランドのディスプレイも並ぶという。

 製品展示だけでなく、常駐スタッフによる用途別提案や、実習内容に合わせたスペックの相談にも乗ってくれるとのことなので、関心がある方は立ち寄ってみてはいかがだろうか。

  • 開催日時:2021年8月5日(木)〜8月6日(金)
  • 会場:インテックス大阪
  • 主催:一般社団法人日本教育情報化振興会 他
  • 公式サイト:第6回関西教育ICT展
MousePro-P101シリーズ
MousePro NB4シリーズ
DAIV Z9シリーズ
MousePro Tシリーズ

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提供:株式会社マウスコンピューター
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年8月30日

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