「DXの次」を見据えたデータガバナンス 長期的な戦略に基づいた保護・管理とはブームではなく、通過点として

日本企業のDXへの取り組みは遅れがちで、このままでは世界経済から取り残されてしまう――そのような警鐘は「見慣れたもの」になりつつある。だがDXは目的ではなく手段であり、通過点にすぎない。DXを目的化せず「その先」に起きることを見据えれば、採るべき手段も見えてくる。

» 2020年03月18日 10時00分 公開
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 「ビジネスのデジタル化」「デジタル経営」「データ活用」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」といったキーワードが、一般のビジネスシーンでも語られるようになった。これらはITの活用を前提としていることから、事業部門からのITへの期待はかつてない高まりを見せている。

 IT部門の負荷は事業部門からの期待に比例して増加している。DXやデータ活用のための新たな仕組みを検討しながら、古い基幹システムの運用保守も続けねばならない。また、ユーザー部門からは次々と新しい要望が寄せられ、IT業界では新しい技術が関心を集める。それらの中で、本来はビジネスを高度化させる手段であったDXが目的化すると、ただでさえリソース不足のIT部門がさらに過酷な状況に置かれてしまう。

複雑化するIT環境と過酷になる外部からの攻撃

 ベリタステクノロジーズ(以下、ベリタス)の製品管理担当バイスプレジデントを務めるダグ・マシュー氏は、今日のIT部門が抱えるジレンマを「要望の高度化とリソースの不足」と分析する。

ベリタステクノロジーズ ダグ・マシュー氏

 「IT投資の予算は減っているのに、IT部門への要望は増えています。そのような中で従来の資産を生かし、新しい技術を取り入れようとした結果、多くの企業でレガシーなシステムとクラウドなどの新たなプラットフォームが混在してしまいました。個々の技術もどんどん新しくなり、企業のIT環境は複雑になる一方です。IT部門の負担はこれに比例して大きくなっています。」

 複雑化しているのは、内部環境だけではない。内部環境の複雑化に加えてIT部門にとって大きな悩みとなるのが「自社システムを脅かす外部の脅威」だ。自然災害が発生するたびに企業の事業継続性が話題になる。標的型攻撃で侵入したマルウェアによるデータ盗難やランサムウェアによるデータ資産の破壊など、企業を狙ったサイバー攻撃の脅威も増え続けている。

企業のシステムを狙った外部の脅威は増加の一途をたどっている(出典:ベリタステクノロジーズ)

 「複雑化する内部環境と過酷になる外部の脅威から、IT管理の課題は積みあがる一方です。そのような中で無理にDXを進めようとしては、いわば『ITの自己崩壊』とでもいうべき状況になりかねません」(マシュー氏)

「Veritas Enterprise Data Services Platform」で複雑さを解消する

 ITの複雑化に起因するさまざまな課題に対して、企業はどのように対処すべきなのか。ベリタスは「データの保護」が課題解決の根底にあると考えている。「DXの目的はデータの徹底活用にあります。そのために、まずはデータ管理を進化させるべきなのです」(マシュー氏)。

 そこでベリタスが提唱するのが「Veritas Enterprise Data Services Platform」(以下、EDSP)だ。同プラットフォームは、ITの複雑さを解消する「緩衝レイヤー」としての役割を果たすという。ベリタスはデータ管理という視点からIT環境を俯瞰(ふかん)し、さまざまな方向に発展を続けるテクノロジーを「可用性」「保護」「インサイト」という3つの観点に整理した上で、企業に対して高度かつ柔軟なデータ管理の手段を提供する。

 「『可用性』のためには、データがいつでもユーザーが満足できるパフォーマンスで利用できる状態を継続する必要があります。『保護』のためには、データがどのような環境にあっても同じ水準で保護できる体制を整えなければなりません。『インサイト』とは、『データのデータ』を管理することを意味します。データのありかがオンプレミスであってもクラウドであっても、状態や活用状況、どのような情報が含まれているかを管理することが重要です。特に個人情報の状況を正確に把握すれば、データガバナンスの確保やより効率的なデータ管理が可能になります」(マシュー氏)

ベリタスが提供する可用性、保護、インサイトとは(出典:ベリタステクノロジーズ)

 マシュー氏が特に重要と述べるのが「データの保護」だ。「DXの目的は、データの徹底活用です。そのデータが失われてしまえば、どんなアプリケーションも無意味です」。

 しかし、複雑化したプラットフォームでは、そのデータを保護するためのバックアップ作業に多大な負荷がかかってしまう。「その負荷をいかに軽減させ、IT部門が本来向かうべきデータ活用に注力させるか、今データ保護にどう取り組むかが、DX後のビジネスを見据える企業が進めるべき取り組みなのです」(マシュー氏)。

「広さ」と「深さ」を同時に兼ね備えたデータ保護技術

 ベリタスは、コンセプトを実現するためにどのような技術を用いているのか。同社のEDSPの中核に位置するのが、データバックアップ製品「NetBackup」だ。

 「NetBackupは大規模システム向けのバックアップ製品としてトップクラスの世界シェアを持っています(※注)」(マシュー氏)。最新バージョン「NetBackup 8.2」は、IT環境の複雑さに起因するバックアップ/リストアの困難さを克服するために、さまざまな機能を強化した。

※編集注:Gartner Market Share: Enterprise Infrastructure Software, Worldwide, 2017より


 「NetBackup 8.2は500以上のデータソースと150以上のストレージ製品、そして60以上のクラウドサービスに対応し、さまざまなプラットフォームやテクノロジーが混在するIT環境におけるデータバックアップを集約して、複雑さを吸収します。バックアップ製品でこれだけ多くのプラットフォームやテクノロジーに幅広く対応する製品は他にはないでしょう。『ソフトウェアのみを提供してユーザーの環境に導入する形態』の他、ハードウェアに導入済みの状態で提供する『アプライアンス型』もあります」(マシュー氏)

 同製品の特長には先進テクノロジーにより細かく対応する「深さ」もあるという。「例えばVMware関連製品によって構築された仮想化環境のバックアップをする場合、同製品が提供するさまざまな機能やAPIを利用してきめ細かなバックアップ制御ができます。顧客の経営戦略に寄り添ったIT利用のニーズに、よりきめ細かく応えられるようになりました」(マシュー氏)。

 ベリタスは、さまざまなソフトウェアベンダーとパートナーシップ関係を結び、密接な情報交換を実施しながら製品連携を実現している。マシュー氏は「世界中の主要なベンダーと連携し、『広く、深い』ソリューションでユーザー企業のデータ活用を支援します」と自信を見せる。

NetBackupによる継続的なサポートのロードマップ(出典:ベリタステクノロジーズ)

「ポストDX時代」を見据えたデータ管理の在り方とは

 ベリタスが見据えるのは、DXそのものではない。DXの目的はデータ活用だ。EDSPは、確実かつ効率的にデータを保護・管理する仕組みとしてDXの推進に重要な役割を果たすだろう。だからこそ同社はDXブームが終息した後、いわば「DXの次の時代」にあるべきデータ保護・管理の形を視野に入れる。

 「現在はデータを活用するためのデジタル技術そのものに注目が集まっています。しかしDXが成熟すれば、技術がコモディティ化します。その後は、データの質や量がビジネスの勝敗を決するようになるでしょう。多くの経営者が『データが持つ真の価値』に気付くのはそのときです。勝者となる企業は、データを確実に使える仕組みをそれまでに手に入れているはずです」(マシュー氏)

小規模拠点に集積されるデータの価値を先取りしよう

 マシュー氏は、中長期的な戦略を検討する上で重要となるキーワードの一つとして「エッジコンピューティング」をあげる。

 「IoTや5Gの技術の普及に伴い、本格的なIoT時代が到来します。あらゆる場所に設置されたエッジデバイスがデータを生成し、それらを集めて分析することで新たな知見を見いだせるようになるでしょう。ただし、エッジデバイスが生成したデータを全て中央システムに集約するのは現実的ではありません。今後はエッジ環境である程度データを管理し、集計や分析処理をして負荷分散を図る必要があるでしょう」(マシュー氏)

 このときエッジ環境でのデータ保護や管理が課題になる。これを先取りする形で、ベリタスは2019年に「Veritas Flex 5150」という新たなデータ保護アプライアンス製品を発表した。中堅・中小規模のシステムによるIoTエッジデバイスの利用を想定した製品だ。

 同社は、Veritas Flex 5150で日本におけるエッジコンピューティングの普及を先導したいと考える。中堅・中小規模のユーザー企業にきめ細かなサポートを提供すべく、国内のさまざまなパートナー企業と連携した全国的なサポート網を展開中だ。

 「DXのムーブメントはいずれ終わり、次の変革が始まるでしょう。しかしEDSPの価値は、DXが終わった後も変わりません。『ポストDX時代』を見据えたデータ保護や管理の在り方を長期的な観点から検討し、適切な戦略を立てることをお勧めします」(マシュー氏)

 「DXに乗り遅れるな」という論調に乗り切れない企業にこそ「ポストDX時代」に備えてほしい。マシュー氏はそう述べて、未来のデータ活用ビジネスに期待を見せた。

ダグ・マシュー氏

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提供:ベリタステクノロジーズ合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2020年4月30日