「後はやるか、やらないかだけ」――働き方改革をけん引するこれからのデバイスの形ルーターもテザリングも使わず、社外で仕事できる環境へ

OSのサポート期限が来たから買い替える――外的要因に迫られてやむを得ず導入されることが多かったPC。だがそろそろ、生産性向上の観点から検討すべき時期に来ているのではないだろうか。そのときのポイントとは。

» 2019年12月27日 10時00分 公開
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 Windows 7のサポート終了を視野に入れ、ハードウェアごと入れ替えた企業は少なくない。この十数年、PCの出荷台数はほぼWindowsのサポート期限に連動して変動してきた。だがMM総研 執行役員 研究部長の中村成希氏は、「生産性の観点から考えると、5〜6年前に導入したPCを、遅いというストレスと戦いながら使い続ける在り方で本当にいいのだろうか」と問い掛ける。

「いつでもどこでも働ける」が当たり前に

MM総研の中村成希氏

 MM総研の調査によると、法人市場向けデスクトップPCの出荷台数はWindows 7からの移行を背景に2018年度に268万8000台、2019年度は336万台と成長した後、2020年度以降は縮小が見込まれている。一方、ノートPC、それも机の上に据え置きで使うラップトップPCではなく、あちこち持ち歩くことを前提としたモバイルノートPCは、2018年度の119万台から2019年度の152万台へと増加し、その翌年度も144万台とほぼ横ばいとなる見込みだ。

 WindowsやiOS、Androidを搭載したタブレットとスマートフォンも合わせると、広い意味で「職場の外で仕事すること」を念頭に置いたデバイスは増加傾向にある。

法人市場デバイス需要 年間予測(出典:MM総研)

 テレワークを前提としたツールが増えている背景には、「インターネットへのアクセスを使って、いつでもどこでも働くのが当たり前になってきた。むしろ、そうでなければ仕事にならない状況がある」と中村氏は説明した。

 理由の一つは、のっぴきならない国際競争だ。インターネットをうまく活用し、いつでもどこでも仕事できるようにしないとグローバルな競争に勝ち残るのは難しい。また社会的な課題として「働き方改革」に取り組むことを迫られているのも周知の事実だ。特に中小企業は、既に大企業で施行されている働き方改革関連法の一部である「時間外労働の上限規制」が2020年4月1日に施行される。

 人手不足も相まって、自宅などでも仕事のできる状況を整えなくては、優秀な人材を確保できない。こうした要因から、善しあしはともかく「いつでもどこでも働けないと仕事にならない」状況になりつつある。

日本企業におけるテレワーク導入、進まぬ要因は?

 モバイルデバイスのコスト低下に加え、クラウドサービスの普及によってかなりの業務がテレワークでまかなえる素地が整いつつある。にもかかわらず、総務省の通信利用動向調査によると、テレワークの導入率は19%、導入予定があるとした企業は7.1%にとどまり、普及率は決して高くない。しかし、前年度と比べると導入率が5.2%、導入予定がある企業が2.9%増え、テレワーク導入を進めようとしている企業が増えていることが分かる。

 一方、個人の生活を省みても、テレワーク導入の遅れは実感できるだろうと中村氏は指摘した。

 「消費者としての自分は、スマートフォンを活用してショッピングしたり、LINEで家族とコミュニケーションを取ったりと、いつでもどこでもインターネットにつながっているのが当たり前になっている。それに比べると、企業で『いつでもどこでも働ける』環境ができているかというと、まだそこまで進んでいない」(中村氏)

 では、なぜ企業でテレワークの導入が進んでいないのだろうか。先の通信利用動向調査によると「業務の進行が難しいから」(22.3%)を大きく引き離して、「テレワークに適した仕事がないから」という答えが71.6%で最も多かった。「情報漏えいが心配だから」も20.1%で3番目に挙げられている。

テレワークを導入しない理由の推移(出典:平成30年 通信利用動向調査報告書(企業編)/総務省)

 だが中村氏は「本当にそうなのだろうか。実際には、オフィスに集まる必要のない業務があるはずなのに、一人一人が考えていないだけではないか」と、経営層や制度を含め自由な働き方を認めて生産性を向上させるべきではないかと述べた。

働き方改革をけん引するSIM搭載モバイルノートPC

 テレワークは、何か1つソリューションを導入したから推進できる類いのものではなく、複雑な問題が絡み合っているのも事実だ。企業の業務プロセスや文化、経営層の考え方と同時に、足回りの部分についても検討する必要がある。

 「インターネットにアクセスするデバイス自体のコストは低下している一方で、運用管理をどうするかが課題となっている。特に中堅・中小企業の場合は一人情シスの状態でどう管理し、コントロールするかが難しい」(中村氏)

 一つの選択肢として注目したいのがIntel製を始めとするSIM通信モジュール(以下、SIM)を搭載したモバイルノートPCだ。事実MM総研の調査によると、SIM搭載モバイルノートPCの比率は徐々に増加し、7%程度を占めている。

 「理由の一つは、すごく取り回しが良く便利なことだ。SIMを搭載しないモバイルノートPCからテザリングや公衆Wi-Fi経由でインターネットにアクセスする使い方も目立っている、しかし、セキュリティ面を考えると懸念が残る。その上、私物携帯でテザリングすると企業と個人でコストの分け方が難しくなるため、公私分計したいといった背景からSIM搭載モバイルノートPCが増えている」(中村氏)

 同様の理由からモバイルルーターの出荷数も増えている。ただ、管理すべきデバイスが増えれば増えるほど、利用者はもちろん、IT管理者の負荷も増すことになる。デバイスをスマートに管理してセキュリティを確保する観点から見ると、一体化したSIM搭載モバイルノートPCの方が望ましいと言えそうだ。

 一足早くテレワークに取り組み始めた企業の中には、SIM搭載タブレットとSIMカードを使って、インターネット経由で顧客への説明から契約業務まで全てデジタルで完結させる保険会社も登場している。こんな例が示すように、「モバイル選定時は、SIM搭載を『原則』として考え、利用シーンを考え条件がある場合のみ『例外』として非搭載にするような検討順序にすべきだろう」と中村氏は述べた。

業務改革に向けた技術的土壌は整備済み、後はやるか、やらないかだけ

 この先の技術の進展に伴って、状況はさらに変わっていくだろう。例えば5G通信が普及すれば「時間や用途に応じて複数のキャリアを切り替えるといった具合に、通信会社から今までにないオファーが出て、選択肢が増えるかもしれない」と中村氏は述べる。

 コンシューマーの世界はアカウントが1つあれば、それにひも付いた複数のサービスが提供される。仕事の世界においても、複数のデバイスやサービス、クラウドアプリを企業が取りまとめ、1つのIDで1つのユーザーを管理するようになる世界も近づいている。

 「ユーザーIDを1つ持っていれば、いつでも、どこからでも、働くのに必要な仕組みを使えるようになるのではないか。その中で、『Device as a Service』のようなスマートなサービスも出てくるだろう」(中村氏)

 人とさまざまなサービスを結び付けて管理するようになれば、転勤や退職などで環境が変わってもその都度適切なサービスが払い出される。そのため、いつまでたっても棚卸しされないままのデバイスや回線が残っているという状況は起こりにくくなる。

 回線の面でも端末の面でも、アプリケーションが動作するクラウドの面でも、それを利用する際のセキュリティを保証するID管理の面でも技術的要素がそろいつつある。そんな環境になってもまだ、「テレワークでやるべき仕事はない」と言い切れるだろうか。

 中村氏は「既存の業務を何でもかんでもテレワークにしろ、というわけではない。だが、人手が足りず、IT環境が圧倒的に安価に使いやすくなっているのだから、それを使って業務改革をしようと思うかどうかは経営者の考え方次第だ」と述べる。「技術的土壌は整っており、後はやるかやらないかだけだ」という問いに、経営者は答えるべき時期に来ているのではないだろうか。

業務改革を“やる”に DISが提供するSIM搭載モバイルノートPC

 技術的土壌が整いつつある業務改革の“やる”を後押しするのは、ダイワボウ情報システム(DIS)だ。同社は、数多くのPCやタブレット、スマートフォンなどを提供するディストリビューターで、全てのデバイスを実際に稼働するか検証している。注目を集めるSIM搭載モバイルノートPCも多く取り扱っている。

 DISが提供するSIM搭載モバイルノートPCの強みは、独自の環境で検証していることだ。SIM搭載モバイルノートPCの比率は徐々に増加しているが、SIMカードとSIM搭載モバイルノートPCにも相性がある。SIMカードを差し込んだからといって、必ず通信できるわけではない。SIMカードとSIM搭載モバイルノートPCを別々に購入すると、通信できない可能性がある。

 DISは各通信会社のSIMカードと多くのSIM搭載モバイルノートPCを検証している。「ベンダーが提供する代表的なPCはほとんど検証している。法人用PCの分野でここまで検証しているのは他にはないでしょう」とDISは述べる。

【関連リンク】

 またDISは、MVNOとして通信も提供する。大手3キャリアの通信網に対応したSIMカードを用意しているため、日本のほとんどのエリアにおいて通信をカバーする。さらに特徴的なのが、「年間パッケージ」だ。年間パッケージは1年分もしくは2年分の通信料金を一括で支払える仕組みで、企業はモノと同じように通信回線を買うことが可能だ。これにより毎月の通信費の経費処理から解放されたり、業績が良いときにまとめて通信料を支払えたりできるといったメリットがある。

 「DISはPCというデバイスだけでなく、回線やアプリなど、働き方改革に必要な要素をパッケージ化してワンストップで提供します。動作検証が取れたデバイスと回線を提供できるので、安心して利用可能です」とDISは述べる。

 その他、代表的なSIM搭載モバイルノートPCのSIMカードセットアップ動画やサポートコールセンターを用意し、SIM搭載モバイルノートPCの活用を後押しする。これから働き方改革を実現しようとしている企業は、SIM搭載モバイルノートPCを検討してみてはいかがだろう。

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