“モノづくり技術の百貨店”による3Dモデリング、オンラインでも依頼可能アークのモノづくり技術

1948年創業、試作のリーディングカンパニー・アークのモノづくり技術を紹介。今回は、モノ(実物)の製作以外の、3Dモデルデータ作成や、それ以前の設計や企画の状態からの支援について話を聞いた。ここでもやはり「現場の全員が顧客目線になって考える」という同社のモットーが生きていた。なお、3Dモデリングはアークのオンラインサービス経由でも依頼できる。

» 2017年03月01日 10時00分 公開
[PR/MONOist]
PR

 今、モノづくりの世界において、業種を問わず3Dデータの存在が必須となってきた。これまで設計において3Dデータの必要がなかった業種においても、その普及が少しずつ進んでいる。

 アークは大手自動車メーカーのモノづくり支援で長年知られてきた企業だが、近年では自動車業界以外の業種、また大企業だけではなく、小規模なベンチャーや、設立して間もない企業からの依頼も増加しているという(関連記事:注目のベンチャー企業が“また使いたい”と思う試作オンラインサービス。意外な魅力とは)。そのような中、3次元モデリングや設計の支援の引き合いも増えてきているとのことだ。

 これまでの記事では主にアークのモノづくりに関する事例を紹介してきた。今回はモノ(実物)の製作以外で、3次元データ作成や、それ以前の設計や企画の状態からの支援について話を聞いた。

アミューズメント業界での豊富な経験を生かして

 アークのコンシューマー事業本部が携わるモデリングビジネスは、これまで多くがアミューズメント業界向けの仕事だったという。アークといえば「自動車業界」のイメージが強かった方にとっては意外に感じられるかもしれない。

 2000年前後、アミューズメント業界の経済が右肩上がりであった時代、アークはその市場に参入。主に3Dモデリングから設計・プロトタイプの製作までの仕事を請け負いながら、その分野のビジネスを大きく伸ばしていき、やがて国内のリソースだけでは追い付かなくなってきたという。フィリピンにもデータセンターを開設(※)してキャパシティーを拡大しつつ対応してきた。

※当面はモデリング業務、将来は設計業務を行う予定。

 長年、アミューズメント関連の難しい案件に対応してきたことで、社内には豊富な経験と高い技術が蓄積されているという。

アーク コンシューマー事業本部 アミューズメントグループ グループ長 宮本浩二氏

 「この技術を生かし、新しい分野にも積極的にチャレンジしたいと考えています。市場は常に変化し続けているので、われわれも変化し続けていかなくてはならないと考えています」とアーク コンシューマー事業本部 アミューズメントグループのグループ長 宮本浩二氏は述べる。

 現在のコンシューマー事業本部では、「自動車分野以外で、あらゆる規模の企業の、あらゆる分野の3Dモデリング」を請け負っているということだ。


アークのモデリング部隊が培ってきた技術と心

 アミューズメント業界の製品は、人気の芸能人やアニメーションなどを画像や造形物として使用する。遊技者に画像と造形物のギミック性を活用し企画される。製品の企画が完了してからは垂直立上げ(開発〜量産)を行い一気に全国ホールに設置する。故に、アミューズメント関連の開発においては、多品種の設計を短期間かつ臨機応変にこなさなければならなかった。

 アミューズメント機器においては、人物やキャラクターをモチーフとしたデザインも多いことから、自由曲面などの有機的な形状をモデリングするテクニックを要する。

 同社はアミューズメント業界での経験を通じて、幅広いモデリングテクニックはもちろん、顧客の気持ちに寄り添って臨機応変に対応できる力を養い、短期間に効率よく作業に取り組む体制を作り上げてきた。顧客からどんなに厳しい条件を提示されようとも無下には断らず、対応策を模索するよう努力するという。

 現在、モデリング技術者たちは意匠の特性に合わせて1人当たり3〜4種類のCADツールを使いこなすのが普通であるとのことだ。

アーク コンシューマー事業本部 デザイン課 副課長 篠原幹雄氏

 自分たちが受けた仕事は、同じフロアに在籍する、専門分野の異なる技術者たちでディスカッションを重ね、最良かつ最短でできる方法について徹底的に討議していく。「メンバーで要求事項と問題点を共有し、アイデアを出し合います。“行き当たりばったり”なデータ作成ではなく、顧客の最終目的に合わせて手段やツールを選択し、扱いやすい最適なデータ作りを目指しています」とアーク コンシューマー事業本部 デザイン課 副課長の篠原幹雄氏は言う。


アークは「モノづくり技術の百貨店」

 「現在はアミューズメント業界に限らず、家電、ベビー用品、医療機器、産業機器などさまざまな分野の仕事に携わっています。ポンチ絵や走り書きのようなメモからモデリングすることもあれば、仕様書と図面に沿ってモデリングする場合もあります」(篠原氏)。もちろん、広告やカタログなどの用途として3D CGデータを納品する場合もある。中には、モデリング未満の「アイデア」のみが成果物の場合もあるといい、仕事の依頼内容は実にさまざまだ。

アークのモデリングプロセス

 アークのモデリング部隊の支援を頼るメリットの1つとして、「技術の不得手を補う」ことが挙げられる。例えば時間が限られた中、自分が苦手なモデリングをしなければならない場合に力になってくれる。

 2012年以降の「メイカーズムーブメント」以降、モノづくりベンチャーの立ち上げが相次ぎ、これまでモノづくりに積極的に携わってこなかった人が製品開発に取り組む例が増えてきた。その場合、商品企画をすることができても、モデリングや設計はできない場合がある。また製品設計を経験しているといっても、電気系の設計経験のみで、メカ設計の経験がないなどもあり得る。それら場合、不得手な面をアークの技術者が全面的にフォローしてくれる。

ポンチ絵から3Dモデリングへ:顧客の構想を基に代わりに筐体設計したりすることも

 そして一口に「3Dモデリング」と言っても、ソリッドモデルとサーフェース、ポリゴンとでは扱いが異なる。技術者もこれまでの経験によって、モデリングテクニックについては得手不得手が存在する。

 自分自身が新しい技術を習得するには大変時間がかかる。また、欲しい技術を持った新人を採用するにしても、戦力になるにはある程度の時間を要する。「すぐに、この製品を設計し、市場へ」と考えると、それを悠長に待ってはいられない場合もある。

 自社の将来をかけた仕事は、できるだけ信頼のおける企業に応援を頼みたいものだ。アークで業務に携わるスタッフ全員が、自然と「顧客目線になって考えること」を実践していることは、これまでの記事でも紹介してきた(関連記事:Webから届ける、3Dプリンタと技術の匠が織り成す高品質な試作品)。顧客目線を持つ同社になら、心から安心して応援を頼めるはずだ。

 「試作などに携わる生産技術者だけではなく、設計やデザイン、モデリングの技術者も抱え、総勢100人規模で1カ所に集まっているような企業は世の中にあまりないと思います。この豊富で幅広い戦力も強みだと思っています。『ここに行けば、欲しいモノは大体そろう』というのが百貨店ですが、当社は『モノづくり技術の百貨店』として顧客をもてなしていきたいです」(宮本氏)。

 なお、今回紹介したモデリングや設計関連の依頼も、「アークオンラインサービス(AOS)」からも受け付けているという。まるで「百貨店に備えるオンライン通販」の感覚で3Dモデリングの発注や問い合わせができるというわけだ。


 「これからの高齢化に向けて、社会に役立つ企業になります!」と宮本氏は宣言する。今後、アーク コンシューマー事業本部で特に注力したい分野が、医療や介護福祉の分野であるという。これが、ものづくり百貨店の中の専門店として現在、大学や医療機関、介護福祉施設などを訪問してヒアリングを重ねながら、業界のニーズについて勉強し、昨今では少しずつ困りごとの相談から実績につながり出しているとのことだ。これまで多く携わってきた業界の製品と比べ、「命を預かる」ウェイトがこれまでと比べてより高くなり、同社の「顧客目線になって考える」というモットーはより高みを目指すことになる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社アーク
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2017年3月31日