G-SHOCKのデザインを変えた大変革 「カーボンコアガード構造」とは?(1/3 ページ)

カシオ計算機の耐衝撃ウォッチ「G-SHOCK」に大きな変化が起きようとしている。「GRAVITYMASTER」(グラビティマスター)の新製品「GWR-B1000」は、新しい「カーボンコアガード構造」を採用。耐衝撃性を維持しながら従来のイメージを覆す「ボタンガードレスデザイン」を実現している。

» 2019年03月27日 10時00分 公開
[山本敦PR/ITmedia]
PR

 カシオ計算機の耐衝撃ウォッチ「G-SHOCK」に大きな変化が起きようとしている。3月15日に発売された「GRAVITYMASTER」(グラビティマスター)の新製品「GWR-B1000」は、新しい「カーボンコアガード構造」を採用し、これまでと同等の耐衝撃性を維持しながら従来のイメージを覆す「ボタンガードレスデザイン」を実現した。カシオ計算機の羽村技術センターを訪ね、時計の外装設計を担当する井口元氏に詳しい話を聞いた。

3月15日発売の“GRAVITYMASTER”「GWR-B1000」

 GRAVITYMASTERは、陸海空のプロフェッショナルが使用することを想定した「Master of G」シリーズの“航空コンセプト”モデルだ。GWR-B1000では、各所に航空機にも使われるカーボン素材とチタン合金を用い、シリーズ最軽量となる約72グラムを実現した。

カシオ計算機で時計の外装開発を担当する井口元氏(開発本部 時計開発統轄部 外装開発部 第二外装開発室 室長)

 井口氏は、カーボンコアガード構造について「G-SHOCKの新しいデザインを実現するために設計した」という。去る2018年はG-SHOCKシリーズの発売35周年という区切りの年で、各種の記念モデルが登場したことは記憶に新しい。しかし井口氏が所属する外装設計のチームと、腕時計のプロダクトデザイナーのチームは、2016年ごろから既に「35周年以降のG-SHOCK」に向けて動いていた。「さまざまなアイデアが生まれる中、次世代のフラグシップモデルはデザインの面でも次世代を象徴するものにしたい、というのがメンバーの総意でした」(井口氏)

 デザインの革新という大きな目標を定めた後、それを実現する素材と技術を検討した。大前提として、G-SHOCKが誕生したころから変わらず大切にしている「タフネスさ」は一切妥協しない。腕時計としての軽さを実現することも重視する。軽く頑丈で、磁化やサビにも強く、防水性を持たせることができる。さらに身に着けた時にひやりと冷たくない。金属アレルギーのユーザーにも優しい。贅沢にも見える条件をクリアできる素材として、カーボンとチタンが浮上した。

ケースに求められる“強さ”とは

 耐衝撃構造も大きく変えなければならなかった。従来のG-SHOCKでは、構造体の周囲を柔らかいウレタン素材で包み、外部からの衝撃を吸収する仕組みを採用している。だが、次世代G-SHOCKの「革新的なデザイン」を実現するにあたり、そのアプローチを「根本から見直す必要があった」と井口氏は振り返る。

 「新しいG-SHOCKでは、ケース(時計のムーブメントを収める部分)の材質そのものを“強く”する手法を採りました。しかしケースを硬くし過ぎると衝撃を受けたときにケースにヒビが入り、もろくなりがちです。だからといってケースを柔らかい素材で作ると衝撃が伝わったときに変型し、中のパーツがつぶれたり、壊れてしまいます」

GWR-B1000が採用した「カーボンモノコックケース」

 アイデアとして浮上したのが、カーボン強化樹脂でケースと裏ぶたを一体化した「カーボンモノコックケース」だった。つなぎ目のないバスタブのような構造にすれば衝撃を受けてもゆがみにくい。しかし、それを実現するための素材が問題だった。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2019年4月26日

CASIO WATCH SQUARE