IoTやM2Mのデバイスに必須の通信機能を提供するのが、通信モジュールやテレマティクスモジュールと呼ばれる製品。この市場で信頼性の高い製品を供給しているのがAM Telecomだ。同社の強みや今後の展望について解説する。
IoTやM2Mといった通信技術が、世界的にさまざまな業務の効率化や社会変革の原動力となりつつある。センサーモジュールからコネクテッドカーまで、さまざまなデバイスやサービスの開発が進んでおり、省電力が特徴の「LPWA(Low Power Wide Area Network)」や、2019〜2020年にかけてスタートする次世代通信規格「5G」を後押しする形で、この流れはさらに加速する見込みだ。
こうしたIoTやM2Mのデバイスに欠かせない「通信モジュール」の開発で定評のあるメーカーがAM Telecomだ。自動車メーカー向けのテレマティクスモジュール(車載用の通信モジュール)や、日本の大手3キャリアに対応した通信モジュールの開発・製造を手掛けるなど、現在のIoT/M2Mサービスを支える注目の企業といえる。そんな同社製品の特徴を紹介したい。
AM Telecomは2001年に、韓国でSamsung Electronicsのエンジニアが独立して設立した企業だ。主な事業内容は、通信モジュールと、それを組み込んだIoTデバイスの開発。Bundang(ブンダン)区に本社と工場を持ち、150人の従業員のうち8割方が開発、製造にかかわる技術主導の企業だ。日本とインドにもオフィス、新たにベトナムに工場を構えている。
日本市場向けには、2010年にLTEと3Gに対応した通信デバイスの開発を開始しており、現在はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3キャリアの相互接続性試験(IOT=Inter Operability Testing)を取得した通信モジュールを販売している。
納入先は、通信キャリア、端末メーカー、警備会社、サービス提供者などが中心。車載機器や決済端末、IoT/M2M向けのゲートウェイ、オフィスやビルのエネルギーマネジメント、警備機器や自動販売機、固定回線の置き換えなど、さまざまな用途で活用されている。
エーエムジャパンの土本順久CEOは、同社製通信モジュールの強みとして「同一のファームウェアで3キャリアのネットワークに対応していること」を挙げる。1種類の採用機器で3キャリアに対応できるので、機器開発や在庫管理のコストを低減できる。
また、最適な通信を選択できることにより、維持コストの最適化を実現できるのもメリットだ。マルチキャリアに対応したことで、最近は大手キャリアだけでなく、IIJ、ソラコム、ケイ・オプティコム(mineo)、NTTコミュニケーションズなどMVNOを介した利用も増えているそうだ。
現在はLTEのカテゴリー1とカテゴリー4に対応したモジュールに加えて、IoT/M2M機器向けに低消費電力で動作する「LTE Cat-M1」に対応した通信モジュールも用意している。中でも、この通信モジュールを利用した、対応デバイスの開発の引き合いが増えてきているという。
AM Telecomは、同社の通信モジュールを利用したIoT/M2Mデバイスも開発している。
例えばB2B2CやB2B2B向けの製品として、NTTドコモの「かんたん位置情報サービス」で利用する、位置情報を取得できる通信モジュールを組み込んだ端末を製造している。この端末は自治体などを通じて子どもや老人の見守りに使われるだけでなく、機器や動物に装着して運輸や牧畜、漁業などさまざまなシーンで活用される。
また、韓国ではドライブレコーダーの市場が大きいこともあり、運転の補助機能を備えたスマートドライブレコーダーにAM Telecom製モジュールが使われており、シガーソケットに接続して位置情報を取得したりジャイロセンサーで運転状況を検知したりできるデバイスも手掛けている。今回は、日本市場向けにスマートドライブレコーダーを始めコネクテッドカーデバイスを提供することにより、保険会社、貨物会社、カーシェアなどでの活用が期待される。
また、車内のOBD(自己診断装置)ポートに接続して運転内容や燃料情報など車両の自己診断情報の送信と、車両位置情報の他、車内Wi-Fiスポットになるようなデバイスもインド市場で提供している。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2019年4月18日